書けない。(鴨谷惟名世)

2021下半期記事, シリーズ3:面白企業にインタビュー, レギュラーコース, 編集の教室

自分はこの文章になかなか取り組めなかった。自分は「安定している方がうまくチャレンジできる人」なのかもしれない。

最近、7年間いた系列の小・中学校を卒業して中学2年生から公立に行くことにした。小学校に6年いて、その後、同じ系列の中学校に1年いた。
別に小学校を卒業してからそのまま公立に行っても良かったのに、なんで自分は1年は公立に行かなかったのかという事を考えると、いろんな不安要素があったからかもしれない。勉強は苦手だったからついていけるかが心配だったし、公立に入った後、嫌なことがあって他の学校に行っとけば良かったなと後悔したくなかった。でも入って1年過ごしながらテスト勉強をしてテストを受けたらある程度はできるようになって自信がついたし、1年居る中で色々なことを学び、この学校に後2年いなくてもいいなと感じた。
こういう不安要素がある程度なくなったから公立学校という全く新しい世界に飛び出す事ができたのかもしれない。

もう一つ似たような話が合って、生き物にはまっていた時初めてイモリを飼ったけど、そのイモリが餌を食べてくれなくて、心配してあまり他のことに取り組めなくなり、飼う予定だった二匹目のイモリも諦めかけていた。でもそのイモリが餌を食べてくれた時は本当に安心して飼いたかった2匹目のイモリと出会うことができた。イモリは顔やお腹の模様、肌の色、目等一匹ずつに色々な特徴があり、それを楽しむことができる。だから二匹目のイモリを飼いたかったし、このイモリも自分が気に入った模様だった。いろんな生き物を不注意やちゃんとした学びなく殺してしまったけどマグ子(餌を食べなかった一匹目のイモリ。お腹の模様がマグマに似ていてメスだったことからこの名前。)は元気に過ごしている。

文章を書くことも発表することもある意味チャレンジと言える。
今この文章を書いているこの期間は1年いた学校での卒業発表会のような物の準備期間で、色々やらなきゃいけないことが多く、しっかりやり切れるかという不安要素があったからうまく書けなかったのかもしれない。

ならなぜ自分は安定している方がうまくチャレンジできるのか?

今のところの答えは出来てしまった不安要素にもよるというところが大きい。
自分が守りたい物、失いたくない物、その安定した状態からのチャレンジの先に何があるのか。そういういろんな条件から判断しているのかもしれない。ここまで長かったけどいよいよインタビューの話が出てくる。

「何も捨てない」

これは今回インタビューさせてもらった時に聞いたこの話と深くかかわっている言葉で、NTT東日本をはじめとして、ヴィンテージ靴屋やNPO法人等色々な事をしているらしい尾形さんに「もしどれか一つ捨てなきゃいけないなら何を捨てるか?」という質問をしたときの答えだった。

なんでこの言葉が深く関わっていると思うのかというと、尾形さんは「今の状態がバランスのとれた継続したい状態」というような説明をしているように自分は解釈したからだ。
家庭だったり、趣味だったり、仕事だったり、やりたいことはたくさんあっても、その全てを両立していくのはとても難しい事。いや、無理だと思う。今は維持をしたい。という風に言っているように感じるがでも、その一方で若いころには音楽活動にチャレンジしたり諦めたりという取捨選択をしたこともあったらしい。

バランスという言葉を訳すと、とあるサイトでは均衡、調和、心の落ち着きという風に書いてあった。
この中で自分が気になったのは心の落ち着きという言葉だった。心の落ち着きは安定や安心という言葉に置き換えることもできる。つまり「今の状態が安定していて維持したい状態」と置き換えることもできる。
でも自分も安定した後、新しい事にチャレンジする事があった。新しいイモリを飼ったらそのイモリも餌を食べてくれない可能性は十分にある。最初は話を聞いて似てるかもしれないなと思ったけど作り上げたその安定からチャレンジするのか、それとも維持するのか。

最初は『安定しているときにうまくできる人』という『人』という言い方をしていた。でも、今維持している人も昔はチャレンジしたりしてたかもしれない。
なら人によって分けられるのではなく、『時』でわけられるべきなんじゃないだろうか。生命の進化も同じことと言えるかもしれない。生命は海で生まれたけど今は多くの種類が陸にも生息している。もともとの環境である海を飛び出すのはとても大きいチャレンジ。海という場所で生活できる。という「安定」からチャレンジすることもあれば、海に残るということもある。

もしマグ子(イモリ)が餌を食べたとして今の自分のように、「イモリをもう一匹飼おうとするような時」つまり「安定してチャレンジする、できる時」と自分が今感じる尾形さんのような「今はそのイモリとの時間、関わりを大事にしよう」というような「安定して維持する、できる時」という安定した後の二つのパターンをこのインタビューで発見できた。この世界にいる多くの人間、イモリ、生物にはまだ知らないいろんなパターンがあるのかもしれない。