後ろを振り返って見てみると(湯川 仁那)
何かを作った事はありますか。
例えば子供の頃の図工の作品。例えばレポート。例えば陶芸。例えば料理。
作ったものは作品と呼ばれます。
と知ったように書き連ねましたが、私には作品と言うものが良く分かりません。調べても難しい言葉ばかり。
そんな風に悩んでいた時にインタビューさせていただいたのがてぃー(岡田敏和)さんです。
「貴方にとっての作品とは何ですか」という抽象的な問いでしたがしっかりと答えて下さりました。
「僕の意見だけど」と話を切り出すてぃーさんは動画の撮影、編集などを行っており、最近は文章講座などにも通っているんだとか。「作品は自分が考えてる事…」と呟くように言ってから首を捻り「というより、スキルの上限が作品として残ってるって感じかな」
どういうことだろうと思い詳しく聞くと、「昔の作品…文章とかを見ると恥ずかしくなることってない?」と私に質問が飛んできました。まさかの逆インタビューに驚きながら「沢山あります」と返事をすると、こくこくと頷きながら「そう。今作ってる奴だって一か月後には見るのも恥ずかしくなってたりするよね」
そして一拍、「なんで恥ずかしいかって、下手だからじゃん。つまりその時の文章力とか編集力とか…そう言うのを纏めてスキルって呼んでるんだけど、当時どれだけスキルがあったかは作品を見ればわかる。そして、いまどれだけ上達したかも作品を見ればわかる」
「だから、僕にとっての作品は自分の足跡だよ」
漫画であれば集中線がつきバーン!と後ろに効果音が入っていそうな表情で言い切ったてぃーさん。
その後に「…って言っても文章とかを書くのが苦手で下手な作品が多いし、だから余計にそう思うのかも。今までの作品を振り返って足跡見たらぐっちゃぐちゃ!みたいな。頭が真っ白になっちゃうんだよね」という付け足しもあり、とても理解がしやすく思わずなるほどと声をもらしてしまいました。
ここからは感想ですが、てぃーさんの説明は実体験に基づいていたためより分かりやすく、それに私が一方的に質問をするのではなくてお互いに話し合う対話という形になっていたのがすごく面白くかったです。(それだけに浅い返ししかできなかったことが大変悔やまれますが)インタビューの型破りと言うか、そういう思い付きが出来るのはやはり経験の差かなと思いました。
いつか私が振り返った時、足跡と言えるほど作品があったのならまた違うものが見えてくるかもしれません。その時に、もう一度てぃーさんとお話しをしてみたいです。